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フランチャイズ

チームをワールドシリーズに導く貴重な働きを見せてくれた、カージナルスの田口選手。“小粒ながらピリリと辛い”田口選手らしい活躍でしたね。タイガースとのワールドシリーズでも期待しましょう。福澤浩行アナウンサーも現地で実況を担当していますので、みなさんもこの2人に、日本から熱いエールを送ってくださいね。
さて、福澤アナウンサーの大リーグ・コラムも今回が最終回となります。最後はMLB人気の秘密と、来年そのMLBにデビューすることが決定した日本の松坂投手など、来シーズン期待の選手にスポットを当てます。これで来年のMLBが、またまた楽しみになりますよ!



2006年レギュラーシーズンのMLB総観客動員数は、7604万3902人と、昨年から1.5%アップして3年連続で記録を更新しました。年間300万人以上のお客さんを集めている球団は、ヤンキース、メッツなど、8チームにも及びます。さらにマイナーリーグの数字も合わせると、なんと年間に約1億2000万もの観客数になりますので、延べの数字では日本の人口に匹敵するくらいの熱心な野球ファンがアメリカにはいるわけですね。
チーム数が大きく違うとはいえ、日本のプロ野球の総観客動員数は2500万人くらいですから、MLBはプロスポーツとしての足腰の強さをしっかりと持っているといえるのではないでしょうか。

その強さの秘密は、アメリカの野球はメジャー・スポーツでありながら、もうひとつの顔として地域に密着したローカル・スポーツという側面も強く持っているからなのです。各チームがしっかりとしたフランチャイズ制を維持し、地域に根づいているのです。ルーキーリーグ、1A、2A、3Aといったマイナーも含めれば、アメリカ全土、どんな町にも野球チームがあるといっても、大げさな表現ではないでしょう。そして、多くの地元の人々が試合の開催にボランティアで参加しています。たとえば、チケットを売ったり、観客の案内をしたりと、自らも「おらがチーム」を応援、楽しんでいるのですね。
日本でも、日本ハムやソフトバンクなど、地方を拠点とする球団の活躍が目立つようになり、四国のアイランドリーグを代表とする「地域リーグ」も各地で設立されて、“ローカル主義”の気運は確かに高まっています。しかし、アメリカと比べればまだまだで、「おらがチーム」と誇れる球団は数少ないですよね。

アメリカの場合、4大プロスポーツといわれる、MLBを除く、NBA(バスケット)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)でも、事情は同じで、地域がチームを支えています。オーナーがジャンルの違う2つのチームを所有している場合もよくあります。それぞれシーズンが違いますので、1年中、地元チームのファンとして存分に楽しめるわけですよね。スポーツが大好き人間にとって、こんな幸せなことはない。うらやましい限りです。日本でも、サッカーJ1の「アルビレックス新潟」のように、運営母体が他にもプロ・バスケットボールチームを持ち、さらには地元のスキー選手をサポートするという、ジャンルを問わず、あらゆるスポーツを地域が応援する仕組みができつつあります。そのおかげで、いま新潟はかなり盛り上がっていますよ。「おらがチーム」「おらが選手」の存在が、地域に元気を与えてくれるのです。
日本のプロ野球も、フランチャイズそういう意味では野球だけのことを考えるだけでなく、他のスポーツと手をつないで、ともに発展していくという視点も必要なのではないでしょうか。それが将来必ずや、プロ野球というプロスポーツの足腰の強さにつながるはずです。


さて、いよいよ今年もMLBはフィナーレを迎えました。ここでちょっと気が早いのですが、来年のお楽しみに注目してみましょう。
まずは何といっても、来年大リーグへ移籍することがほぼ決まった西武の松坂投手への期待ですね。年齢も26歳と働き盛りで、WBCでの活躍もあって、メジャーでの評価はうなぎ登りです。日本人最高の落札額がつくことはほぼ間違いありません。
私は、「松坂=ディープインパクト」説を唱えています。ファンの方には、「馬と一緒にするなんて失礼な!」とおしかりを受けそうですが(苦笑)、どちらも間違いなく活躍してくれる選手(馬)と見られて日本を出発することになるからです。
MLBシーズン最多安打を更新し、フランチャイズデビューから6年連続200本安打以上を記録しているイチロー選手でさえ、渡米するときは、「あの細い体でMLBのパワー野球に通用するのか!?」と危惧する人もいました。しかし、松坂投手に関しては全く危惧がない。そういう声はどこからも聞こえてきません。つまり、ディープインパクトと同様に活躍して当たり前なのですね。これはすごいプレッシャーですよ。
ディープインパクトは一発勝負で、レースの流れなどもあって負けてしまいましたが、MLBは年間162試合。実力がはっきり出る世界ですから、松坂投手はディープインパクトとは違う結果を出してくれると、私は信じています。

どのチームに移籍するかも、これには大きく関わってきます。ポスティングでの移籍では、松坂投手本人の意向とは関係なく、最高の落札額をつけたチームが獲得することになります。現在6〜8球団のチームが松坂投手に興味を持っているようで、中でもヤンキースがその筆頭だといわれています。しかし、辛辣(しんらつ)で熱狂的なファンが多いニューヨークは、力を十分出し切れずにメッツを去った松井稼頭央選手の例もありますので、どうでしょうか? ちょっと心配です。それよりも私としては、ヤンキースの永遠のライバル・レッドソックスあたりに行って、もう少し気楽に投げてほしいと思っています。そうなれば、日本ではなかなか見ることができなかった、松井対松坂という夢の対決がレギュラーシーズンで何度も見られるわけですから、日本人にはたまりません! 夢がかなうことを期待しましょう。

「三冠王に最も近い男」といわれるカージナルスのプーホールズ選手にも注目です。今年は一時ケガで離脱したにも関わらず、打率3位(3割3分1厘)、打点2位(137打点)、ホームランも同じく2位(49本)と、その力をまざまざと見せつけてくれました。ご期待ください。フランチャイズ
それと“2年目のジンクス”にも興味がわきます。中でも今年ア・リーグでキャッチャーとして初の首位打者(3割4分7厘)を獲得したツインズのマウアー、17勝を挙げチームのポストシーズン進出に貢献したタイガースのバーランダー、さらにはナ・リーグでホームラン(58本)、打点(149打点)の二冠に輝いたフィリーズのハワード――こういった選手が、来年も今年同様の活躍ができるのか? “2年目のジンクス”を克服した選手が将来のスーパースター候補といえるでしょう。今シーズン、ブレイクした選手たちの2年目にぜひご注目くださいね。

このコラムも今回が最終回となりました。私にとって今年は、ワールドシリーズ実況を現地から初めて担当したこともあり、忘れられない1年となりました。フランチャイズ来年も今年の経験を糧として、また新たな気持ちでMLBの醍醐味(だいごみ)をお伝えしていくつもりです。それでは、来年のメジャー開幕までしばしのお別れです。みなさんもお元気で!




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